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2008/09/05のBlog
[ 02:55 ]
[ 北朝鮮 ]
英労働党の欧州議会議員が著者となっている北朝鮮擁護本。「共同執筆」としてクレジットされている韓国人は何者か分からぬが、歴史や韓国についての見解は「共同執筆者」に依拠したものかと思われる。植民地支配について謝罪も反省もしない日本なんてことを英国人に言われるてしまうと苦笑してしまうのだが、後ろの方になって、89年に竹下が反省の意を表したとか、金丸訪朝、村山談義などにも言及しているので、まあ「日帝」同様、日本に対する枕詞みたいなものなんだろう。とにかく、この英国人にとって、日朝関係の非は全て日本にあるらしく、日本の保守勢力が憲9を改正したり、核武装したりする為の道具として北朝鮮を利用しているとしている。それも日本という国が、「普通の国」になろうとしている野望だと批判しているくせに、日本は米国の属国であるともしているのだから、これも一体どっちなんじゃいという話。まあ親分のブレアがブッシュのプードルと言われたのつい最近の話だから、著者としてはライバル心があったのかもしれない。そんな感じで、米国に対するコンプレックスは大変なもので、北の核も、スーパーKも、武器輸出も皆、米国のせい、核拡散はパキスタンが悪いと。この辺も中の人の意見が反映されているのかもしれないが、EUは米国にカネだけ要求されるのが不満なんだと。何でもカネを出さない日本が六カ国協議に入っているのはおかしいそうだが、貴様らはコソボからアフリカまで、日本にカネだけ押し付けといて、何をたわけたことをぬかしてるのか。しかもEU全体で出したのは5億ユーロのはした金。これで、日米みたいに悪者でないEUが、北に「批判的関与」をしていこうというのだからあきれる。とはいえ、北の人権問題の多くは誇張ではなく、でっちあげられたものというんだから限界は知れている。しかし、アメリカの核の脅威を散々訴えながら、自分の国の核には全く言及しないのは不思議。日本が何を言っても説得力がないのなら、それは英国も同じこと。いい加減、5億ユーロくらいは出すから、パレスチナ問題は日本にまかせてくれるかい。




[ 00:48 ]
[ ロシア ]
環日本海経済研究所という所の人が書いた研究書か報告書かといったものなので、関係業界の人以外には退屈なものかも知らんが、結構興味深いものだった。意外にも、TSRは日本企業にあまり利用されていなくて、その主な顧客は韓国企業なのだという。よって釜山がTSRのハブとなるのも必然的なことなのだが、元々、このルートは日本が開拓したものなのだが、船舶数増加で海上運賃が下がったのを機に、海上輸送に切り替えたのだが、一方の韓国では海上運賃が高値水準なのに加え、欧州市場向けにスピードを重視する必要からTSRの利用が促進されたのだという。その背景には現地販社の金融事情もあると思われるが、海上輸送やTCRといったライバルが存在するのに、ロシア側が常軌を逸した値上げを実施し、それに抵抗する韓国とロシアの攻防はお国ぶりを窺わせて面白い。そうした「カントリー・リスク」も考え、日本は安定した海上輸送を主力にしているのだろうが、著者は韓国にできて、日本にできない訳はないとも言う。ロシア進出に限らず韓国の海外進出には、そうしなけらばならない事情があるのだが、とりあえずやってみて、当たっても砕けず徹底抗戦というビジネススタイルは、日本企業にとって「炎熱商人」の時代ではあるまいし無理があるのではないかな。フィンランド向けTSRというのも、ロシアが「普通の国」になってしまったら通用せんルートではあろう。最後に北朝鮮を経由するTKRとTSRの接続計画についても論じているのだが、著者は現時点では全くお話にならないという見解。その理由が北朝鮮国内のレール事情にあることは言うまでもないのだが、1930年代に作られた軌道を使用に供する様にするのは莫大な投資が必要となろう。それには鉄道を敷設した日本が再びカネを出さなくては実現性が低い訳だが、北朝鮮が莫大な通行料を要求するのではないかという見方も強いらしい。それこそ「アジア・ハイウェイ」に沿って「国際的協力」の下で、鉄道を敷いた方がいいんんじゃないかな。






2008/09/04のBlog
[ 12:23 ]
[ バングラデシュ ]
NHKブックスには珍しいフィールドワークもの。著者はカルカッタ大に留学経験があり、ベンガル語での著作もある人らしい。なんでも学術的論考は世界思想社から近々出る著作に記すとのことで、こちらは同人誌に掲載したものを元としたらしい。専門書と新書・選書の二本立て使い分けを出来るのも、効率的な出版環境に恵まれている研究者と言えよう。という訳で「ベンガルの宗教文化誌」はバングラデシュの聖者信仰を中心としたもの。ご承知の通り、彼の地の主体はイスラームであるのだが、非シーア派世界でも、聖者信仰は特殊なものということでもない様だ。著者はインド側との比較などを通して、イスラーム以前のベンガル人の信仰との連綿性を検証しているのだが、現在のバングラデシュの地に仏教が栄え、それが日本まで伝播された経緯を考えると、ベンガル人の信仰世界と日本人の信仰世界は何がしかの共通点があっても不思議ではあるまい。タゴールがサダル・ストリートで神秘的なヴィジョンを目の当たりにしたというのは知らなかったが、現代の日本の若者もパラゴンの屋上辺りで「神秘的なヴィジョン」を目の当たりにした者がまた少なくないのではないかと思う。ロシア人力士たちもまた神秘的なヴィジョンを目の当たりにすることを求めたのだと思うが、これも彼らに土俵上で神秘的ビジョンを目の当たりさせることができなかった日本の国技が、神事性を失っているということの証左になるのではなかろうか。






[ 01:25 ]
[ 米国 ]
iPhone発売記念の提灯本ではあるのだろうが、マッキントッシュからの流れも体系的に説明してある分かりやすい新書だった。その分かりやすさというのが、アップル最大のセールス・ポイントということもあるのだが、マック互換機なんてものを使っていたこともあるロートルにとっては、iPodとiPhoneのアップルがマッキントッシュのアップルと同じ会社であることを再確認できたことだけで満足。アップル生態系云々はどうでも良いのだが、スティーブジョブズも、それほど神格化している訳でもない。自分で創った会社を追い出されたのもクーデター失敗だそうだが、そうした陰謀を何度も繰り返すというのは穏やかなものではない。野心的性格は技術系とはまた違うものなのだろうが、偽善家のビル・ゲイツよりは人間臭いというものである。それにしても、すい臓ガンを克服というのはスゴイな、どこまでも運を使い果たすことはない人間なのだろうが、タバコを吸っていた社員をその場でクビにしたというのも、そういう背景があったのだろうか。






[ 00:22 ]
[ 中国 ]
小泉以降、反日があちらでトレンドでなくなってしまったもんだから、「反日問題評論家」も毒ギョーとか、チベットにシフトしているのだけど、五輪も終わったし、福田も辞めたしで、また「反日」やってくれないかな。もっとも「嫌韓流」が反日超えしたという話もあるから、どうも日中韓でキャッチボールをしている様な感もある。これも「東アジア共同体」の一つの姿なのだと思うけど、共通認識(特に歴史)=中共史観の「東アジア共同体」じゃないと、信奉者は許さないんだよね。で、石平さんも、まだまだ出番があるのだろうが、数多の「知ってるようで知らない」本の例に漏れず、「知らないようで知っている」話ばかり。まあ入門書なので、こんなもんなのだろうが、自殺見物話だけは面白かった。と言うと、私も「もはや人間ではない」ではないのだが。自殺見物や暴動の話もそうだが、となると、例に反日デモも「火事と喧嘩が江戸の華」の見方で捉えてもいいんじゃないかな。笑いながらペットボトル投げてた連中なんか、「愛国教育」なんか、とても理解できない様なバカ面ばかりだったし。中国には世界的な水準の文化がないというのはそうなのだろうが、それは単に学術も芸術も全て西欧基準になっているからだと思う。要は中国だけではなく、非西洋には文化がないということでしょう。中国が小泉に完敗したという見方はさすが。麻生も安部と福田同様、肝っ玉の小さい坊ちゃんに過ぎないから、簡単に手玉にとれるだろう。ハニ垣が消えたのは良いが、小泉再登板が無理なら、せめて小池くらいにして欲しいものだ。鬼子で大男主義の日本人男性から迫害されていると位地付けている日本人女性は、勝手に中国人民の味方にされているのだけど、んな日本女性が、中国より早く、女性首脳となって「右翼的」な発言をすると、中国は動揺するよ。




2008/09/03のBlog
[ 13:16 ]
[ フィリピン ]
「トヨタ・イン・フィリピン」といっても社会評論社の本だから、カイゼンの話でも、プリウスの話でもない。ただ、ひたすらフィリピントヨタの労働運動を「支援」する話。とはいえ、著者の二人は東大博士と東大修士のインテリ左翼だから、「自動車絶望工場」の様な鬼気迫る話でもなく、病気持ちの著者が車に乗ってデモに参加したり、ジュネーブや香港、フランス、インドへ「国際連帯」の旅をしたりするというもの。デモ主人公の人生に焦点を当てた出だしになってたので、これはいけるかなと思ったのだが、あとはアナクロな労働運動の描写が350ページも続く。しかし、フィリピントヨタで労組潰しがあったにせよ、日本大使館にデモをする意味がよく分からん。日本大使館は誰の味方かと怒ってるのだが、フィリピン政府も治安上問題があれば、外交ルートで情報提供の要請くらいするだろう。それで、来日させた労組リーダーをイラク戦争反対とか小泉改革反対デモに参加させるというにもよく分からん話だ。それが連中式の「連帯」なんだろうが、当のフィリピン人が踊らされているだけの様にも感じた。万国の労働者は団結して然るべきなのだろうが、労働者でもない人間が、「グローバル時代の国際連帯」とかいって、「反グローバル」を叫ぶというのも皮相浅薄の感はある。




[ 02:48 ]
[ 欧州(複数国) ]
東の鹿島か、西の内田かではないが、女子大の仏文教授というのは居心地が良いものなのかなあ。女子大生にとっても、センセイの本を読むのは容易いのだろうが、これはどうだろう。岸田秀ではないが、こんな本でも釣れるものなのかもしれん。ほとんど思いつきの話ではあろうが、日本の緊縛師の嚆矢が軍隊にあることなどは興味深い。まあこれもマユツバものではあろうが。SM自体の嚆矢はその様式美からみても、キリスト教であることは間違いないのだろうが、サドという人の伝説も胡散臭い感じはする。ただ、野球のN監督とS夫人の話はさておき、日本がSM先進国であることは間違いないだろう。女性が性的に解放されている国は野蛮ではないという基準も正しいと思うのだが、儒教とか韓国カルト宗教の野蛮どもから、日本が逆に野蛮扱いされているのは名誉なことなのかもしれない。しかし、だからといって、日本ケルト同祖説とか日本語印欧語族説は、ちょっといかがなものか。子どもの入るところにポルノが置いてあるっていう国は結構、「アジア」にもある様な気がする。その昔、タイで中華ポルノ(「武則天」もちノーカット)を観たことがあったが、映画館には子どもがゾロゾロいて、上映前に国王の肖像に起立し、国歌斉唱、最後はサービスに局部編集だったのはおったまげた。それにしても、女性にとって最高のセックスとは、男性の体を借りたオナニーというのは、かつて本人が言われたことなのだろうか。




[ 00:27 ]
[ フィンランド ]
オウルとはフィンランド第四の都市で、人口22万という町らしい。副題が「フィンランドのITクラスター地域の立役者達」となってる通り、この町に進出したベンチャーの成功物語なのだが、まあ市のPR本みたいなもの。フィンランドものだが、教育系ではないことは評価できるのだが、原書2002年だし、フィンランド技術庁や日本政策投資銀行が動いて翻訳した横書きのPR本を一般人が読んで面白い訳もない。著者の人はこの本が「ノンフィクション作家としての出世作」なのだがそうだが、こういうのもあちらでは「ノンフィクション」というのかしら。金持ちは周囲の嫉妬をかうので、なるべく質素なスタイルをとるというのは日本と共通するところがある様に感じるのだけど、基本的に挑戦しました。努力しました、成功しました。という単純サクセスストーリーだから、誰も傷つかず、物語として成立してないんじゃないかな。言われたままの人物像を描いた提灯「ノンフィクション」ほどツマランものはない。キュリー夫人の功績というのは気になったが、成功の秘訣は少年期のサッカーの試合でシュートを外し、0対1で負けたことのアスリート精神なんていうのはバカにしてんのかと思った。




2008/09/02のBlog
[ 13:09 ]
[ 台湾 ]
新装開店の「好きになったった」シリーズだが、これで4つ目のリニューアルか。ベトナムと香港も、もうすぐ出るんだろうけど、北京は時期を逸したから、出さないのかな。下川ブランドもいつまで続くんだろう。中華航空のバンコク沖縄ループはまだ続けているのかもしらんが、香田さんに続き、「外こもり」が事件になってしまったから、そろそろ、旅系の方は引退した方がいいんじゃないかな。台湾ライターでない人の記事が浮いている様な感じがするけど、あとはこじんまりとしている印象。バンコク編みたいにキャラ立ちしていないのは、台湾がそれだけ穏やかな国だからということなのだろう。タイペイホステルが未だ存在しているとは驚いたが、香港のラッキーもまだあるらしいから、驚くに足らないか、大久保ハウスは死して久しいとも聞く。ということで、淡水河中州の話くらいが、マニアックなものかな。結構、タイアップ系が多いが、取材費分くらいは出たのかしら。




[ 02:39 ]
[ イギリス ]
「帝国論」も一時のブームから大分、下火になってきたものだが、「帝国」の本質が「帝国主義」という「絶対悪」にあるという前提の議論は、やはりマルクス主義の影響なのだろうか。著者が「イギリス帝国」と「日本帝国」といった具合に「大」の字を拝すのも大人気ないとも思うが、帝国主義という概念自体が、マルクス主義が作りあげた「空想的帝国主義」ではなかろうか。当時の新興帝国であった日本がイギリス帝国を規範としたことは間違いないにしても、「帝国主義」という具体的なビジョンがあった訳ではなかろう。帝国主義に対する自覚がなく、脱植民地化がなされない日本が韓国や中国の信頼を得られないのは当然だとしているのだが、正に「日帝残滓」の論理か。元々帝国主義の意識のなどない者が自らを帝国であると位置づけるのは無理があるし、「日本帝国」の記憶を持った日本人がどれだけいるのかという疑問は残る。それこそ記憶の再生産を行わない限り、それは不可能なのだが、記憶の再生産を行う為には、日本の今ある姿を無視し、現在の日本も帝国主義という絶対悪の枠組みに押し込めるしか法がないだろう。果たしてそれが建設的なことなのかどうか分からぬが、日本を帝国のままにしておきたい勢力とは、「つくる会」の一派というより、それに反対する勢力と「近隣諸国」の側ではないかとも思う。竹島問題にしても、日本海名称問題にしても、尖閣にしても、「帝国主義的」な力を誇示して、強硬路線をとっているのはどちらの側かよく考えるべきであろう。コモンウェルスを以って、イギリスの「脱植民地化」が成功しているとも、とても思えない。むしろ「大東亜共栄圏」に近い性質のものではなかろうか。






[ 00:11 ]
[ 欧州(複数国) ]
創元の「知の再発見」双書って奴。このシリーズも結構、昔からあるけど、これが第138巻か。「双書」と「叢書」って違うもんなのかどうかも分からんが、「絵で見る世界史」というのがサブ・タイトルについているシリーズだから「叢書」みたいに敷居が高くありませんよということなのかな。ダダってのも知ってるようで、ホントは訳分からんかったのだけど、「絵で見る世界史」でも、よく分からんかった。訳分からんものがダダであるというのも一理ありそうだ。そんなものだから、自然発生的に生まれた運動なのかと思っていたのだが、ちゃんと首謀者がいて、新聞で募集した創立メンバーがいたとは知らなかった。ダダという名称を最初に使用した媒体も特定されているらしい。「オタク」や「萌え」 よりも起源がハッキリしている様だ。更にはトリスタン・ツァラーの「ダダ宣言1918」といった運動の趣意書とも言えるものも存在している。その全文も掲載されているのだが、やっぱり訳分からんわ。






2008/09/01のBlog
[ 13:30 ]
[ ドイツ ]
この木鐸社というところは、前から気にはなっていたのだが、HP見ると、いい感じの老舗だった。こういう版元は世界遺産として保護しなくてはならないのだろうが、著者は一貫してその木鐸社からドイツ本を出し続けている人らしい。紀要で溜まったものをまとめている様だが、加工済みの二次文献に依拠せず、新聞や雑誌の報道を多用した実験的な論文とのこと。なるほど、伝統的な論文世界ではこういうのは実験的なものになるのか。移民国としてのドイツといえば、必然的にトルコ人問題ということになるが、最新の動きを追うには、やはり新聞、雑誌の報道が欠かせないかとは思う。ドイツにおける「スカーフ問題」は生徒ではなく教師の側から提議されたものであるのだが、それが移民のマジョリティであるトルコ人ではなく、アフガニスタン人女性だったということは、この問題を考える上でのポイントとなるのかもしれない。ドイツにおけるトルコ人社会の多様性については、よく知られるているクルド人の問題だけではなく、本国の政治状況を反映した極左から極右、穏健的イスラームから超保守、「イスラム過激派」、アタチュルクの国家主義者から、西欧型民主主義者まで多種多様なサブ・グループが存在し、ドイツのトルコ人社会を横断する様なコンセンサスは成立してないらしい。スカーフ問題についても、これを進歩の妨げと訴えるトルコ人女性活動家に対するアンチテーゼの意味合いがあったことも考える。いずれにしても、本国でスカーフが禁止される状況が存在しながら、ドイツでその不当性を訴えるというのは説得力を欠いたものではあろう。とはいえ、「ナチスの亡霊」が蠢くドイツでは、積極的な同化政策は取りにくい状況であることは確かで、トルコ人社会とドイツ社会が分離しているのは、多文化社会の功績というより、弊害である部分の方が大きい様だ。ドイツにはトルコ人のサッカー・クラブが全部で1,000以上もあるというのは、前にサッカー海外組を目指した人の本で読んだが、強豪国の例に漏れず、急速に他民族化したドイツ代表の中に、圧倒的に最大の移民集団であるトルコ系の選手を見出せない(もしかしたら、いるかもしれんが)のは不自然にも思える。トルコ協会がドイツで選手をスカウトし、多数を本国の代表に引っ張っているのは知っているが、その方面で、二重国籍化の成果が出るのはもうちょっと先になるのであろうか。





