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トップ > ボンベイ > ボンベイ - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年11月19日 11時)

【photo】wind.

wind002.jpg

© All rights reserved by Hazuki Natuno.

作者:葉月

更新日:2008年11月12日 23時33分

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【戯言】and she said.

「私は」

そして彼は言った。

「私は、僕のときの君より私のときのほうの君のほうが好きだな」
「はぁ?」

脱ぎかけていたスカートのファスナーを上げ直して振り返る。

「それ、なんのこと?」
「無自覚?」
「うん」

椅子に座り直し、対面する。

「私は、なにを言われているのかよくわからないんだけど」
「僕って言っているときの君と私って言っているときの君は微妙に違うんだよ」
「そんなに違うかな」
「うん、かなり」

例えば、と彼は続ける。

「僕のときのあなたが写真や美術を語り始めると怖い」
「で?」
「私のときの君のほうが優しい」

偉い言われようだ。
僕は密かに憤慨した。

「僕のときの私も私のときの僕も私は私だよ」
「それは、わかってる」

鼻のあたりで眼鏡の縁がくぃ、と持ち上げられた。

「まぁ、好みの問題じゃないかな」
「茶葉を選ぶみたいに軽く言わないでくれないかな」

顎で後ろを向くように、指し示すと彼は素直に従った。
こういうことは何度体験しても慣れないものだ。

「だけどね」

言いながらスカートを脱ぎ捨て、ジーンズを手に取った。
履きながら言葉を続けようと、つま先を持ち上げる。

「言っていることが少しわからなくもないよ」

ふくらはぎのあたりが少し、きつい。
また太くなったのだとしたらいささか憂鬱だ。

「どうして僕と私が切り替わるのか、私と僕が両立しているのか私にもよくわからないんだけど、ひとつだけわかってることがある」
「なにが?」

後ろを向いたまま、彼が問い直した。

「どうも服装に左右されるってこと」

ジッパーをあげ、ボタンを締めて肩をとんとん、と叩く。

「どうも僕が僕でいるときはこうした服装のときが多いから」
「ジーンズとか、ってこと?」
「まぁね」

そもそも僕自身は僕でいることの方が多いし、僕でいることを好んでいる。
で、ある以上僕らしい服装を選ぶのが簡単な選択であるらしい。
正直に言えば、下着から化粧からなにからなにまで身につけるものすべてに僕と私は左右されるけどそれは言わない方が花だろうな。

ライダースジャケットに似たカッティングのショートコートを羽織り、支度は終わった。

「いいよ、行こうか」
「で、どこへ」
「海へ」

作者:葉月

更新日:2008年11月7日 0時50分

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【photo】Limelight.

20081026[3238]

© All rights reserved by Hazuki Natuno.

作者:葉月

更新日:2008年10月28日 21時33分

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