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第3話「夜天の王を守る騎士」
先日、ブレイブ小隊分隊長に任務が通達された。
内容はとある有能な部隊指揮官の護衛。
管理外世界にいる部隊の指揮に呼ばれているらしく、その部隊との合流まで護衛する事になった。
しかし
「八神二佐、この服装で護衛する必要があるのでしょうか……」
レクスの服装はいつもの隊服でもバリアジャケットでもない。
そこにいるのはダークスーツに身を包んだレクス。
日常的に着慣れ無い服装であるからか、周りからの目線が気になるようだ。
「ええやないか~。似おうとるよ、レクス君」
その反面、護衛対象である八神はやてはかなりの上機嫌である。
今日に限って着慣れないダークスーツを着ている理由を説明するには任務が通達された日の話をしなくてはならない。
ーーーー4日前ーーーー
「護衛任務ですか?」
昼の定時報告の際に、レクスはリオから任務を言い渡された。
「任務内容としては、八神はやて二等陸佐を管理外世界の部隊と合流するまでの護衛、という簡単なものです。戦闘区域外を行くので問題はないでしょうが、もしもの事があってはいけないということで護衛に当たることになりました。」
彼女は今回の任務について簡潔に説明する。
「了解。その任承りました。ブレイブ小隊でその任にあたります」
「ああ、その件ですが、八神二等陸佐から要望を聞いています」
「はあ……?」
「護衛につくのは一人。剣技の冴える男性がいいそうだ。言いたいことはわかりますね、レクス?」
どのように分隊メンバーを配置しようか考えていたので、その要望に目を白黒させている。
「ということは、私一人で八神二佐を護衛しろ……ということですか?」
レクスは嫌な予感に軽く冷や汗を流す。それが確定事項ではないことを願いながらも、上司である彼女に聞き返した。
「話がはやくて助かります。任務実行日は4日後、本局の転送ポートより出発することになってます。何か質問は?」
「了解しました……」
要望という言葉に一種の違和感を感じたレクスだったが、任務として問題があるわけでは無いので渋々ながらも了承した。
彼女はうなずくレクスに訊ねた。
「レクスは八神二佐に会った事ありますか?」
「いえ、お会いしたことは無いはずです」
「そうですか。でしたら当日の打ち合わせ等をかねて会いに行くといいでしょう。今はたしか、陸士108部隊のゲンヤ・ナカジマ三佐の下を訪問しているようですから」
レクスもあの"奇跡の部隊"と呼ばれた機動六課を設立した,八神はやてという人に"護衛対象"以上の興味があった。だから彼女の提案を受けることにした。
「了解しました。早速アポイントメントをとって108部隊の隊舎に……」
「まあ、少し待ちなさい」
何か思いついたのだろうかにこやかな顔をしてレクスを呼び止めた。
「相手の喜ぶ手土産でも選んでみたらどうでしょう」
「手土産ですか?」
「レクス女性克服作戦の一環として提案します」
彼女の突然の提案にずっこけるレクス。
レクスの上司であり、「ナイツ」の部隊長であるリオ・アーシェラは騎士の名が似合いすぎるくらい真面目だ。
しかし時々、食事以外の事で突拍子も無いことを言う事があるのだ。
「克服と言われても、恥ずかしいけどまったくできないというわけではないので、必要ないかと」
レクスは慣れている女性だったら普通に話すことができるのだ。
であればこそ、彼女たちからことあるごとに提案される"克服作戦"についてはウンザリしているようでもある。
しかし
「せめて舌を噛まずに女性と話せるようになってから言って下さい」
彼女の冷ややかな一言で一蹴された。
「しかし……何を買って行けばいいんだ?」
リオに了解を告げたレクスは隊舎の廊下を歩きながら考えていた。
「他に何かいい案はないだろうか」
むむむとしわを寄せ考えていると白衣を着ている少女が現れた。
「あれ?レクス。何か考え事してるの?」
青くて長い髪をなびかせ小首をかしげている。その愛らしい仕草は、白衣を着ているはずの彼女をより幼く見せていた。
「マリナか。開発部の仕事はもう終わりかい?」
マリナはうんと頷き問いを肯定した。
「うん。実は今日はオフの予定だったんだけど急に呼び出されちゃってねー。でも今から呼び出し無しの休暇だよー」
苦笑いをしながら彼女は答える。
「それはお疲れ様だな」
レクスはいたわりの言葉をかけた。
「それはそうと、レクスは何考え事してたの?」
「ああ。今から護衛任務の打ち合わせに八神二佐の所に行くんだが、リオ隊長が何かおみやげを持って行けというから考えてるんだ」
「へぇ~、レクスは女の人の事になるとダメダメだもんね。まあ、難易度高そうだけどがんばって!」
ほがらかな笑顔で励ましている。しかし手を貸す気を感じさせない笑みでもあった。
「何か妙案をくれよ……」
「んふふふふふ~。ど~しよっかな~♪」
楽しそうにニコニコと笑いながら励ましの言葉を送っている。
「プレゼントねえ……。レディを訪問するともなれば、連絡は当然入れてるだろうし――、まあレクスなら大丈夫、よね? 」
アポの連絡をとり損ねていた事に気づき、冷や汗をかいているレクスに、マリナは気づいていない様子だ。
「そーだっ♪今度の休みの日つきあってくれるんならいいプレゼント教えてあげる♪」
レクスののんびりと過ごせるはずだった休みが、一つ潰えた瞬間だった。
ケーキの入った箱を持ち、陸士108部隊隊舎を歩くレクス。
『ナイツ隊舎の近くに最近できた“トーレ・ステラ”っていうお店のケーキを持っていったら喜ぶんじゃないかな? あそこのケーキすごーくおいしいんだよ』
「そう言われて持ってきたものの、八神二佐は喜んでくださるだろうか」
ケーキの入った箱を抱えながらレクスは小さく呟いた。
いろいろ考えては悩みつつ歩くレクスは端から見るととてもおもしろい百面相をしているだろう。
そのときだった。
がつっ!
「ひゃわっ」
「いたっ」
曲がり角で誰かとぶつかり、鼻を打つ。
「いたたた、大丈夫ですか……?」
と目を開けたレクスは、ぶつかった人に謝罪を述べようとしたのだが、目の前には誰もいなかった。
首をかしげるレクス。
「はい~だいじょうぶですぅ」
と突然視界に青い髪の小さな女の子が割入ってきた。
想定していなかったの事態に混乱するレクス。
「少し考え事をしてまして~、前方不注意だったですよ~」
「こちらこそ不注意でした。申し訳ない……」
混乱したまま応答したレクスだったが、だんだんと状況が飲み込めてきた。
ぶつかったのにそこまでバランスを崩さなかったのは、目線の高さで浮遊している彼女――レクスの掌に収まりそうなほどに小さな少女にぶつかったからだろう。
「じゃぁ、お互い様ということでよろしいですね」
くるくると表情を変える少女。その愛くるしさはまるで小動物みたいだ。
「ああ。構わないよ。すまなかった」
「もう、謝罪は無しですよっ。あれっ? あなたは108部隊の方じゃないですね。どちらさまですか?」
名乗りを忘れていたことに気づき略式だが敬礼をするレクス。
「失礼しました。ナイツ所属レクス・レオンハルト二等空尉であります」
「私は八神はやて2等陸佐付特別補佐官、リインフォース・ツヴァイ空曹長であります。あなたがレクスさんでしたか。お話は伺ってますです。マイスターはやての所までご案内しますですよ~」
にこっと相好を崩し、はやてのいる応接室へと飛び始めるリイン。それを追うようにレクスも歩き出した。
廊下を見渡せば、それなりの数のドアが並んでいる。レクスは、そのうちの一つのドアの前に案内された。ドアプレートには応接室と書かれている。
ピピピピピ。
インターフォンを鳴らすと、
「どうぞ~。お入りください」
とやや柔らかな声で入室許可がでた。
「はやてちゃん、今度の任務で護衛を担当してくれるレクスさんをお連れしたですよ~」
ふよふよと飛んで、はやてのもとに行くリイン。その頭を撫でるはやてからは、母のような雰囲気がただよっている。
その様子を見届けたレクスは、ちゃんと敬礼をし階級を名乗る。
「第21特殊編隊ナイツ所属、ブレイブ分隊分隊長レクス・レオンハルト二等空尉であります」
「おおきに。108部隊所属八神はやて二等陸佐です。とはいっても、要請があれば他のとこに行ったりもするから、フリー指揮官とあんまり変わらん感じやね」
はやてからさしのべられた手をとり、握手をする。
「八神二佐、そこまで大したものではありませんがお土産を持ってきました」
と言いながら、レクスは持ってきたケーキの箱を見せる。
「ホンマおおきに。ちょうどええわ、早速いただこ」
はやてはティーカップなどと一緒に、お皿とフォークを持ってきた。
「わぁ。こらまたぎょうさん買ってきたなあ」
「ええ。ご家族の方がいらっしゃると聞いたので、その分もと思いまして」
「ありがとな、レクス君」
手際よくお茶の用意をするはやてと、その傍らに寄り添うリイン。2人はまるで、仲のいい姉妹のように見える。そんな微笑ましい光景に、レクスは笑みを浮かべていた。
「まあ、事前の打ち合わせって言っても簡単なルート確認しかないけどな。ほな、いただきます」
はやてはケーキの定番、イチゴショートを選んでいた。リインも少し分けてもらい、フォークを文字通り一生懸命に使って食べている。
「これ、おいしいなあ。ヴィータ達も喜ぶわ」
ニコニコと笑うはやて。
「お気に召したようで何よりです」
レクスは、ホッと胸をなで下ろした。
どうやらお土産作戦は成功のようだ。
(今度ちゃんとしたお礼しないとな。そういや新しい工具が欲しいとか言ってたな……。)
マリナに心の中で感謝し、レクスは本題を切り出した。
打ち合わせは滞りなく進み、二時間が経過した。
「大体こんなもんやな。ほな打ち合わせは終了って事で」
「了解しました」
「じゃ、今日は解散や。お疲れさま」
「では失礼します」
敬礼をし、ドアへ向かうレクス。女性と二人きりだったのに、動揺する事無く無事終了したのも、おそらくは仕事モードで集中していたからだろう。
気が抜けそうになるのをこらえ、足を進めるレクス。
しかし、女性にもてあそばれる事を運命付けられたレクスにそれが許されるはずもなかった。
「レクスく~ん」
と、いつの間にか隣にはやてが居ることに気づき、飛び退くレクス。
「八神二佐!? ななななな何をしてるんですか?!」
驚きのあまり、『あわわモード』が発動したレクス。顔を真っ赤して慌てふためいている。
「あはは。そこまで緊張せんでええやん。ちと一つ言うこと忘れてただけや」
「!?!?」
「当日はこれを着て欲しいんよ」
といって衣装の入っていると思われるバックを渡された。
「中身は当日まで見たらあかんよ? これに着替えて私の部屋まできてな?」
「りょっ、了解しましたっ」
意味もなくすり寄るはやてと、それから逃れようとするレクス。リインはといえば、その光景を見ながら、おかしそうに笑っていた。
その後、レクスの去った応接室では――
「レクス君はおもろいなぁ。フェイトちゃんが言ってた通りや」
「です~。リインも少し話をしましたが良い人でした」
クスクスと笑うはやてと、それに同意するリイン。
リインは、ふと思い出したように首を傾げると、
「でも、はやてちゃん。あの衣装はいったい?」
と問いかけ、見るからにはてなマークを浮かべていた。
「当日になればわかるよ♪」
これから起こるだろう面白い事態に思いをはせ、はやてはニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
ーーーー回想終了ーーーー
はやてと共に局内の転送ポートへ向かうレクス。彼の衣装――ダークスーツ姿――は、とても注目を集めていた。その視線の多くが女性局員、それも頬を染めて見ている人たちが多いのは気のせいだろう、とレクスは信じたかった。
「あははは。注目されとるなぁ、レクス君」
恥ずかしさを煽るように、はやてはすごく楽しそうに笑っている。
「あの……バリアジャケットに着替えていいですか……」
レクスはこれ以上、女性の注目を集めたら破裂するんじゃないかというほど顔を真っ赤にしている。
「だめや。あっちの戦闘区域ならかまへんけど、非戦闘区域ではそれを義務づけます」
レクスのがっくりとうなだれる様子は、皆の同情を誘うほどであった。
「元気だしや。もう転送ポートについたんやし」
「はぁ……」
この任務は無理をしてでもアリサに頼めばよかった、と心の奥底から後悔しているレクスであった。
ふと、この任務についての条件を思い出し、聞いてみることにした。
「そういえば何故、私を暗に指名するような条件を掲示したのですか?」
「ん?あーそれはやねー」
はやては、ん~とあごに手を添えて考えている。その仕草はやはり年相応の女性らしさがあった。
「面白そうやから!」
と至極真面目な顔で言うので、レクスは軽くこけてしまった。
「うそうそ。ホンマはな、フェイトちゃんにレクス君の事聞いててん。せやからどんな人かなって興味あったんよ」
「そういうわけでしたか。それならブレイブ分隊を指名した方がよかったのでは……?」
「それもそーやな。そこまで気が回らんかったわー」
悪びれもせずに笑うはやてを見て、レクスは溜め息がこぼれてしまった。
と、会話が終わるのを見計らっていたかのように、アナウンスが流れる。
『転送ポートを開きます。御武運をお祈りします。』
転送ポート担当局員の指示を受け、転送ポートに入る二人。
「飛んだ先の中継基地から、私の指揮する部隊の駐屯地まで結構な距離あるんよ。現地の局員は動けんらしいし、私の守護騎士達もみんな出払っててな」
「守護騎士というと?」
「あー、なんや私の個人保有戦力みたいなもんや」
「リインや戦技教導隊のヴィータちゃん。首都防衛隊のシグナムに医務局のシャマルや遊撃戦力のザフィーラ……、この五人が守護騎士なのですよ」
補足とばかりにリインは嬉々として説明に入る。
「シャマルとシグナムは前線、ザフィーラはそのシャマルの護衛。ヴィータちゃんは教導のお仕事なのですー」
「さすがに、今回行くところはリインと私だけじゃ心細いから、ナイツに護衛の要請出したんよ」
「納得です」
と他愛ない会話しているうちに二人は中継基地に到着した。
基地にいる担当局員によると、戦闘地域はここより南西に40kmほど進んだ所で、駐屯地はその手前10kmの地点にあるという。
駐屯地付近は森林地帯であるため、森に隠れて襲撃される可能性がある。だから注意して飛行するように、とも言われた。
「事前には聞いてましたが、相手組織はかなりの規模があるようですね。予想以上の展開です」
かちり、とスイッチが入ったかのごとくレクスは戦況を分析し始めた。その様子からは、まがりなりにもレクスが”ナイツ”である片鱗を覗かせている。
「急いで向かわんとな、あっちの部隊指揮官さんに連絡を。私とレクス二等空尉がこれより現地に急行します」
了解しました、と担当局員たちは関係各所への連絡、ならびに飛行ルートの確認をはじめた。
程なくして準備も整い、レクスとはやてはBJへと変身し飛行姿勢にはいった。
「八神はやて二等空佐およびリインフォース・ツヴァイ空曹長。行きます!」
「ブレイブ・ワン、レクス・レオンハルト二等空尉。行くます!」
二人の魔導師が戦場の空に飛び立った。
駐屯地まで残り半分となった頃、前方から白煙をあげながら接近する物体をとらえた。
「なんやあれ……。ミサイル!?」
急速に接近しつつある多数のミサイル。視認できるまで気づかなかったという事は、何らかの魔法的処置が施されているかもしれない。
「質量兵器まであるなんて、ただの組織ではなさそうですね」
レクスは急停止し、はやてやリインをかばうように前に出る。そして右手を前に構えた防御姿勢をとると、信頼するデバイスの名を叫んだ。
「クトゥグア! イタクア!」
前方へ二つの防御魔法を同時に展開。レクスのデバイスたちは、独立したインテリジェントデバイス。それぞれ独立して魔法詠唱処理を行うため、2種類の魔法を簡単に並立して使うことができるのだ。
『Round Shield』
『Protection』
二つのデバイスが同時に防御魔法を展開した。
通常のミサイルであれば到達前に撃墜したり、あるいは一つの防御魔法で事が済む。がしかし、敵がどのようなトラップを仕掛けているかわからない。
ゆえにそれに対する安全策として、レクスは二つもの防御魔法を発動させたのだ。
しかしながら、ただのミサイルだったらしく、副次的な効果は見られなかった。
(だが、ここまで接近されるまで気づかないなんて、魔力探知に引っかからないよう作られたのか?)
目を閉じ集中し、神経を研ぎ澄ます。下方にある森林地帯に変な引っかかりを覚えたからだ。
「リインフォース曹長、前方の森林地帯をサーチして、逆に魔力をまったく感じない地域がないか探してください!」
このサーチ魔法は、エリアに魔力を飛ばしその反射から魔力の偏りを察知する、ソナーのようなものである。つまり
「はっ、はいです!……確認!前方の森林地帯に不自然な魔力の空白があります!おそらくここがミサイルを発射した場所と思われます」
リインが示した、不自然な三カ所の魔力空白、おそらくそこにミサイルの発射台があるとみていいだろう。移動する気配も無い事から、固定式の砲台なのだろうと予測する。
その数瞬後、リインは魔力空白がまるで自ら広がっていくような異変を感じた。
「前方よりミサイル群!さっきより多いかと思われます!」
リインが警告を告げる間に、ミサイルは目視が可能な距離まで接近していた。撃墜していては間に合わない、と判断したレクスは“盾”の詠唱を始める。
「其は七重の盾……」
彼の祖父がいた世界、背後に居る八神はやての出身世界に伝わる、神代の英雄が持つと伝えられた盾。
「飛する難を受け止めるモノ也……」
その七重の盾は、飛来せし矢を我を穿つ槍を、最後の一枚になるまで受け、それでもなお英雄を守り続けた。
「受け切れ!」
その名を冠したこの魔法は、すべての牙を受け切って、なお主を守り続ける――"絶対の盾"。
「アイアス!」
それはレクスの白銀の魔力光に彩られ、美しく輝いていた。
それは普通の防御魔法より大きく、何より魔力密度が高い。
爆炎の花が咲き乱れるも、この盾はびくともせず、その余波すらも二人には届かない。
「……すごい」
はやては目の前の出来事に驚きを隠せなかった。
さすが……護衛を主任務にしているブレイブ分隊のコールサイン・ワンだ、と。
「八神二佐、遠距離の制圧魔法は――」
「もちろんや。広域Sランクの私やで?」
リイン。と声をかけユニゾンの準備をしようとして、「――私が撃ちます」というレクスの声に止められる
レクスは制止の声を上げた。
「私が撃つ、って??」
「あなたの戦いは、これから始まります。だからここで魔法を使うべきじゃない。」
「せやかて、私以外誰が魔法を使うん?」
「ですから今言ったとおり、私がやります」
はやては二度目の驚きの表情を浮かべた。
先程は制圧魔法があるかどうか聞いてきたので、レクスはその種の魔法を所持していないと解釈したのだが。
「ただ、私はそのての魔法を所持してないので、よろしければその魔法のプログラムを見せていただけないでしょうか?」
と、続く発言に、はやてとリインは大いに首をひねる。
自分がやるといいつつ、自分は魔法を持たないという。
「ええけど、プログラムを見ただけで発動できるほど簡単やないよ?」
「そんなこと言わずに、どーんと任せちゃってくださいです」
「あなたをベストな状態で送り届けるためです。ですからご協力を」
有無を言わせない、真摯な物言いで、レクスは協力を仰ぐ。真剣な眼差しにはやても心が折れたようだ。
「しゃあないなあ。でも最低限の支援だけはやらせてもらうで?」
「索敵、有効着弾座標の割り出しはリインにお任せですよ」
「ありがとうございます」
レクスは感謝の意を伝え、データを貰った魔法の詠唱を開始。二度あることは三度あるというように、またも驚きの表情を浮かべるはやて。
「私の保有スキル……というより私の家系が持つ特殊スキルのおかげで、魔法への理解は誰よりも早く、見るだけでもその魔法が使えるようになるんです。もっとも、個人の能力により左右される魔法は無理ですが」
詠唱を再開するレクスに、リインは攻撃座標を指定した。
足下と投射面に円環状のミッドチルダ式魔法陣が展開し、魔法を行使する準備が整った。
「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ! フレスベルグ!」
レクスは全神経を集中して指定した座標にフレスベルグをたたき込んだ。
着弾地点から大きな魔力爆発が発生し、指定座標にある”魔力の影響を受けたもの”を破壊し尽くした。
「制圧完了ですぅ。指定座標から敵反応消滅しました。」
加減したとはいえSランクオーバーの魔法を行使したため、軽い疲労がレクスを襲った。
「ナイツや……ってことは伊達や無いって事か」
はやては改めて、ナイツという部隊のランクの高さを思い知った。
(あんときの機動六課にこれだけの戦力があれば……いや、もう過ぎた事やし考えてもしゃあないか。)
「お疲れさん、レクス君。ホンマ強いんやねえ。惚れてしまいそうやわ」
はやてがクスクスと笑いながら言ったのは、あくまで冗談。けれど、それでもレクスはやはり顔を真っ赤にしている。冗談だとは理解していても恥ずかしいものは恥ずかしいらしい。
その様子に、はやては変なスイッチが入ってしまったらしい。すすっとレクスの傍らに近づくと、にやにやと悪戯っぽいを浮かべながら左腕に抱きついた。
「うぃあ?!」
レクスは硬直し変な声をあげる。はやての胸が押しつけられた形になった左腕、肌が伝えてくるやわらかい感触に、顔をさらに赤く染める。それを見たリインは、呆れるようにため息をついている。
「八神二佐、その、急に抱きつかれると緊張するというか、光栄ではあるのですが…ひぃあ?!」
その慌てる様子に、たまらず吹き出すはやて。
「あーもー、かわええなあ。イジりがいあるわぁ」
「八神二佐、やめてください~」
「もう、はやてちゃん。恥ずかしがってるんですからやめてあげましょうよ~」
「ん? リインもひっついてみるか? 中々抱き心地ええよ~」
「リ、リインはそんなはしたないことはしませんっ!」
たまらず吹き出すはやて。リインとレクスも、それに釣られるように笑い出した。
その後はさしたる妨害もなく部隊駐屯地に到着。レクスは任務完了の報告をしていた。モニターにはリオが写映っている。
「敵組織からの妨害工作で、質量兵器による攻撃を受けましたが、無事八神二佐の護衛任務完了しました」
「ご苦労だった。詳しい話は、帰還して報告書に書いてください」
リオは安堵の表情を浮かべる。
「本局からの帰り道、おみやげでも買っていきますよ」
「はい。楽しみにしていますよ」
「通信終了します」
略式の敬礼をとり通信を終了する。任務が完了したという事で、ひとまずはレクスも安堵しているようだ。
「レクス君、お疲れさんや」
通信が終わった頃を見計らったようにはやてが話しかけてきた。
「八神二佐も、お疲れさまです」
「いーや、まだこれからよ。今からが私の戦い。この部隊を導いて敵を鎮圧、逮捕。そしてみんな無事に帰還させる。それが私の仕事で、戦いや」
気高さを感じさせるほどまっすぐな目で、はっきりと言いきるはやて。レクスは、先程までの彼女の様子とのギャップに、驚きが隠せない。
「強いですね」
ぽつりとこぼした感想に、はやては苦笑して答える。
「強ぉなんて無いよ。わたしなら出来る、と信じてくれてる人がいる。その人のために全力でやるだけや」
まぶしいほどまっすぐに自分の力を必要とするもののために働こうとするはやての姿。それはレクス自身が持つ、仕事への理想を体現した姿でもあった。
「レクス君も手伝ってくれたら、この事件も早く片付くんやけどなぁ」
「他の仕事もあるので、でも貴女ならできますよ」
「お世辞でも嬉しいわぁ。それに知らない仲やないんやし、同い年やん? せやから、はやてって呼んでな」
「いえ…ですが、上官ですので…さすがにそれは」
軽く冷や汗をかきながら、精一杯の正論を述べる。その様子が面白いのだろう、はやてはくすくすと笑っている。
「じゃあ上官命令や。私の事ははやてって呼んでや」
「そんな横暴な」
「いやぁ、フェイトちゃんに聞いたとおりの面白い子や」
「きょ、恐縮です」
「かしこまらんでもええよ。他に誰もいない時は、ただの同い年の女の子の扱いしてほしいってそれだけやから」
そう言いながら、相変わらずくすくすと面白そうに笑うはやてを見て、レクスも相好を崩す。
「こうまでされてなお女性のお願いを退けては、騎士の名が廃りますね。謹んでお受けいたします。はやて二佐」
「ん~。敬称まで変えてくれるとうれしいんやけど……、レクス君はシャイやなあ」
「はやてちゃーん、そろそろ作戦会議の時間ですよー」
幸運にも、さらに追撃かと言うタイミングで、リインがはやてを呼びに来てくれた。
「残念やなぁ。もーちょいお話してみたかったんに。ほな行ってきます~。アリサちゃんによろしく言っといてな」
「了解しました。いってらっしゃいませ」
レクスは二人を見送り、自身も帰還のための準備に取り掛かった。
あとがき
どうも2ヶ月ほど放置してしまった道@レクスです
今回の話は・・・しょうじきしんどかった(´ぅω;`)
ですがなんとか仕上がりましたので皆さんご感想のほどをよろしくお願いしますね
4、5話ですがなんと・・・上下話にしようと考え中です。
こう思い立った理由は4,5話で結構新規キャラが出るからなのです
1つの話で全キャラ出すとさすがにぐだぐだになりそうなので上下とわけることになりました
まだプロットだけの状態なのでどうなるかはわかりませんが、がっつりいきたいと思います
私信ですが修正作業を手伝っていただいた方々に多大なる感謝を
★☆。.:*:・"゜★('-^v)Thanks(v^-')★。.:*:・"☆★
では4話「勇気と信念」をお楽しみに
作者:道@レクス
更新日:2008年11月6日 21時36分
設定資料その2
皆さんおはこんばんちわ
バイトが無くなって暇になった道@レクスです。
今回の設定資料はブレイブ分隊のNo2、3 ならびに4話登場予定のロイヤル分隊の分隊長を紹介します。
・アリサ・バニングス(アリサ・バニングス):准空尉(時空管理局第21特殊編隊「ナイツ」)
コールサインは「ブレイブ・ツー」
すずかとラブラブしてるバーニングな人
レクスがしっかりしてくれることを願っているがやはりいじる事が楽しくてしょうがないらしい
使用するデバイスは剣・槍・大剣の形態を有する「フランベルジュ」
火の属性魔法を得手とする。
しかしどちらかと言うと魔導師というより、『切断』に特化した魔法使い寄り
最終奥義魔法「幾千の難を排する光晶の御剣(クラウ・ソラス)」は
首都防衛部隊に所属するシグナムの剣技を越える。
魔道師ランクは空戦AAAランク
炎の翼を羽ばたかせ飛ぶ姿は見るものを魅了する。
・恭耶(キョウヤ):陸曹長(時空管理局第21特殊編隊「ナイツ」)
本名は不破 恭耶
名前見ての通り第97管理外世界の住人である。
コールサインは「ブレイブ・スリー」
階級は陸曹長。
ブレイブの二人をいじる事を日課にしているニ刀流の女性剣士。
使用デバイスは主に野太刀「孔鬼斬貫刀」、短剣「孔鬼刀」これ以外にも複数あり、
その他飛針を使った術を行使する変幻自在の戦い方をする護衛のエキスパート。
技の大部分は自己の身体を酷使する系統が多く、また魔力切れが起きやすい体質なので
よく貧血、魔力欠乏状態で医務室にいる事が多い。
恋愛事には疎くまた誤解を招く言動が目立つ。
そのせいか隠れファンが多くバレンタインはすごい事になっているらしい。
何故かいつも男物のスーツを着ており、BJも男物スーツのような格好である。
・トィリード・ソリッドフィールド(トィリード・ソリッドフィールド):二等陸尉(時空管理局第21特殊編隊「ナイツ」)
コールサインは「ロイヤル・ワン」
ロイヤル分隊の分隊長で冷静沈着なクールガイ。
言いにくい名前なので仲間うちからはソルと呼ばれる事が多い。
幻術とベルカ式スピアー型デバイス「霧幻(ムゲン)」を使い戦う騎士。
この槍から繰り出される神速の突き、魔法付与効果による攻撃は特筆すべき所がある。
上記の事から神速の槍騎士と呼ばれる。
今3話作成中ですが全然筆が進みません・・・。
4話の構想や新規キャラの設定を平行して進めているからでしょうか?w
遅筆の筆者ですいませんm(__)m
では次回の更新で会いましょう。
作者:道@レクス
更新日:2008年8月14日 10時42分
第2話「金色の訪問者」
ここは第21特殊編隊の隊舎にある鍛錬場。
そこには炎剣と野太刀を構える二人が対峙している。
「はぁあああ!」
激高の気合と共に放たれた炎を纏った剣の薙ぎ払いをアサギは野太刀で受け流し無力化する。
「だいぶ剣技とブーストを両立できるようになったようだが・・・維持に集中しすぎて剣筋が単純だ~。」
二度目の剣戟をさばきアサギは各所に焔を纏ったアリサとの距離を詰める。
「わかってるわ・・・よっ!」
纏った炎をを発散させ接近するアサギを牽制し、一旦距離をおきアリサは次の一手を考える。
その隙にアサギは態勢を立て直し、アリサとの距離を詰めようと駈ける。
「フランベルジュ!」
『Flamme Explosion』
発動と同時にアリサの足元が爆発し、半ばカウンターの形でアサギの方に接近。
間合いでなら、アサギの「雷皇麟」の方が長い。
その上で突っ込むアリサに模擬戦を見守るギャラリーは固唾を飲んだ。
「っく!」
見守られる中アサギは野太刀で反撃しようとせず後ろへ距離をとるように飛んだ。
その横を槍にフォルムを変えたフランべルジュが掠めていった。
「まさかそのような手で来るとはな~。一歩間違えば私の一太刀で勝負がきまっていたぞ。」
賞賛を送りながらも教導官としてのその行動の迂闊さを指摘するアサギ。
「ええ。そうかもしれないわね。」
槍を構えアリサは答える。
「でも、フランベルジュはすずかの作ったデバイスよ?」
頬から赤い筋が流れている事に気づいたアサギは驚いた。
「私の手足のように使えて当然じゃない?」
幼なじみとして今まで一緒に歩んできたすずかの作ったデバイス。
それだからこそと全幅の信頼をおくアリサだからこそ出来る芸当なのだろう。
「ならば、これはどう説明する?」
「え?」
アサギの視線の先を見るアリサ。
腹部に綺麗な一本線が入り、そこから出血していた。
痛みを感じないせいで、アリサは指摘されるまで全く気づかなかった。
「迎撃をしなかったとでも思ったか~? 愚か者め~。」
「くっ・・・。」
楽しそうに笑うアサギにアリサは悔しそうな顔をする。
「試合時間終了!二人とも礼!」
リオが模擬戦の終了を伝えた。
『ありがとうございました!』
お互いに礼をし、アリサは専属ともいえるデバイスマイスター・すずかのところへ、アサギはリオの隣に並んだ。
「しばらく見ない間に結構成長してるのは否定しない。リオ先輩。強化ブーストはアリサの一番の不得手じゃなかったか?」
「貴女の頬に傷をつけるだけのレベルならナイツにはごまんといる。それにアリサはここに来てもう五年になる。成長しないような者を選んだ覚えはありません。」
リオはアサギの頬をハンカチで拭いながら答えた。
「はは。手厳しいなぁ~」
嫌がっても無駄だという事を知っているアサギは気にせず会話を続ける。
「確かに。ここは突出したレベルの奴は少ないが総合で見ると恐ろしく高いさ~。機動六課と同じくらいじゃないか?」
「機動六課のような部隊になれば、集めたかいがあったというものです。」
血のついたハンカチを隊服のポケットに収めるリオ。
「九年前と比べてだいぶ隊員も増えたし専属魔導師も増えた。もうあの事件のような事は起きないだろう。」
「アサギのような部隊創生メンバーがまた戻ってくればもっと強くなります。」
少し陰りを含んだ独白にリオは珍しくおどけた口調で答えた。
「今は諜報部と首都防衛隊の教導で手一杯だ。」
アサギもおどけた口調で返し二人は先程の相手を見ていた。
相当くやしいらしく、時折あがるくやしそうな声とそれをなだめる声がこちらまで聞こえてきた。
他に目を移すと、先程までトィリードの相手をしていたレクスは壁際でクールダウンをしているようだ。
癖の少ない短い黒髪も激しい動きのためボサボサになっていた。
「レクスも男らしい顔になってきたな。」
「だが少しヘタレの気がある。もう少し胸を張っていいと思うのだが。」
アサギの言葉にリオは手厳しく返す。
「確かにな。」
軽く笑いあいながら隊員の評価をしている二人。
そこに一人の女性が声をかけてきた。
「リオ部隊長。よろしいでしょうか?」
そこには長い金髪が風に揺れる金髪紅眼の女性がいた。
優しそうな雰囲気を醸し出しゆったりと微笑んでいる。
「これはテスタロッサ・ハラオウン執務官。何かご用でしょうか?」
「先日のロストロギア、並びに現在捜索しているロストロギアの資料をお持ちしました。」
そう言って大きな茶封筒をリオに手渡すフェイト。
「ありがとうございます。まさか貴女が来るとは思ってもみませんでした。」
「偶然こっちに用がありましたので、そのついでに持って行こうかと思いまして。アリサやすずか、レクスの様子も見てみたかったし。」
リオに笑みを返し、差し出した手を握るフェイト。
お互いに握手を交わす二人の姿は一幅の絵になるほどの魅力があった。
「さしずめ・・・騎士と姫と言った所か~。」
二人の姿を眺めながらアサギは呟く。
リオは『ベルカの剣聖』と呼ばれているベルカ式の典型的な騎士。
フェイトは類い稀な美しさを持つ女性。
そう見えてもおかしくはない。
「はい・・・?」
意味深なアサギの発言にリオとフェイトは首をかしげる。
「いや~。私の個人的な話だ。気にするな~」
「アリサ、すずか、それにレクス。三人にお客様ですよ。」
リオは遠くにいる三人を大きな声で呼んだ。
「い、いえそこまでしなくても。模擬戦中だったら迷惑ですし。」
「かまうな~。今さっき終わったばかりだ。」
遠くから「フェイト~」と呼びかけながらアリサとすずかが駆けてきた。
レクスも駆けてきているのだが同じ方の足と腕がでておりなんとも滑稽な走り方で駆け寄っている。
「フェイト、元気にしてた?」
まず、治療が終わったアリサが元気そうに話しかける。
「久しぶりだね、フェイトちゃん。」
次にすずかがいつものように微笑みながらフェイトに話しかけた。
「うん、久しぶり二人とも。私もなのはもはやても元気にしてるよ。」
そんな二人にフェイトは笑顔で応対する、
「ヴィヴィオは今日学校なんだっけ?」
「うん。今日は一番好きな魔法の授業だから、朝から張り切ってた。」
「ヴィヴィオちゃんも元気そうだね。」
久しぶりの再会に旧知の仲である三人はつもる話があったのだろう。
会話が華々しく進んでいた。
その様子を見たレクスは話しかけるのをためらったが勇気を出し
「フェイトさん、コンニジ・・・」
話しかけたが、盛大に舌を噛んだ。
「あんた、何してんの?」
あきれた顔でアリサは冷静なツッコミを返してきた。
「いや・・・その・・・。」
耳まで真っ赤になったレクスは答えに窮した。
「久しぶりだね、レクス。あの事件のあと以来かな?」
「あぁ、たぶんそうかな。」
柔和にほほえみかけられたレクスは体中の血液が集まってるんじゃないかと思うほど顔の色が変わっている。
「あれ?レクスどうしたんだろ?私何か変なこと言ったかな?」
「フェイト、あんたって天然な上に男キラーだなんてシャレにならないわよ。」
「えっ?」
「いや、なんでもないわ。」
呆れるアリサを頭の上にハテナを浮かべたフェイトが何か納得いかない顔で見ていた。
「あれ~もう模擬戦終わったんですかぁ?」
そのとき間延びした声が入り口から聞こえてきた。
「恭耶?あんたどこ行ってたのよ。」
男装の麗人と呼べるほどスーツの似合う女性、恭耶はスーツを軽く整えながら答える。
「また貧血がでまして、医務室に行ってたんですよ~」
恭耶は優秀な隊員ではあるのだが、欠点があるのだ。
体を酷使しやすい体術を使用したり、少ない魔力を全開で使用するので
よく貧血や魔力欠乏をおこしやすく、よく医務室で休んでいるのだ。
「模擬戦といってもあとはリオ部隊長くらいしか相手残ってないわよ?」
「それは勘弁願いたいですね・・・。」
冷や汗を流す恭耶。何せ相手として上げられたのは管理局トップクラスの騎士。
生半可な模擬戦ではないことは明白だ。
「じゃあ私がお相手いたしましょうか?」
その声の先には優しい笑顔を浮かべたフェイトがいた。
救いの手とも言える発言に目を輝かせる恭耶。
「ハラウオン執務官よろしいのですか?!」
伝説の部隊機動六課の分隊長のひとりと戦えるということに興奮を隠しきれないようだ。
その強さはリオと引けをとらないとは思われるが、実際に体験した強さより伝説の強さの方が恐怖が薄いようだ。
「ええ、構いませんよ。最近デスクワークが多くて、体を動かしてみたいと思ってたところなんです。」
「じゃあ、お手合わせ願えますか?」
「喜んで。」
「両者前へ!」
リオのかけ声でバリアジャケット姿のフェイトと恭耶は前に進み出た。
ここは先程の室内ではなく屋外の市街地戦用施設である。
機動六課にあったものを見たリオが上層部と掛け合い設置してもらった現在でも数少ない設備である。
「今回は時間制限なし、敵が戦闘不能または降参するまで継続。非殺傷設定はもちろんだが、物理体を破壊するときのみ物理干渉を許可する。」
フェイトは愛用デバイス”バルディッシュ”を構えうなずいた。
「では、はじめ!」
「お手並み拝見させていただきますよ。」
「こちらこそ、本気でいかせていただきます。」
恭耶はラフな構えだが闘気をみなぎらせやる気を出している。
『Plasma Lancer』
フェイトの周りに金色のスフィアが多数展開される。
「プラズマランサー、ファイア!」
雷槍の飽和攻撃が恭耶を襲い激しく土煙をあげた。
「ふ~、危ない危ない。さすが金色の戦姫と呼ばれるだけはある、魔法の初速の早さはすごいですねぇ」
「え?!」
陸戦魔導師のはずの恭耶が宙に浮きいつもの笑顔で余裕を醸し出している。
「不破流飛針術”網蜘蛛”。限定空戦ならこのように出来ますよ。」
目を凝らすと恭耶の足下などに蜘蛛の巣のごとく鉄線がはりめぐらされてる。
飛針を使って見えない足場を作っているようだ。
「もう貴女ご自慢の高速戦闘はできませんね。」
「何を・・・っ!」
周囲に鉄線の檻が張り巡らされていた。
「貴女としゃべってる間に飛針で結界をこしらえました。鉄線に触れれば貴女の肌を傷つけてしまいます。」
「!!」
フェイトはしゃべっている間も絶えず警戒を行っていた。しかし魔力の気配はおろか飛針をふるう動作も読みとれなかった。
(油断も隙も無い人だな、笑顔に騙されちゃいけない。動けないなら動けるようにすれば!!)
『Haken Form』
「およ?」
「ハァアアアア!」
即座にバルディッシュはマスターの意図を汲み取り接近戦を行うフェイトに最適なフォルムへと姿を変えた。
バルディッシュをふるい接近するフェイトを太刀を抜いて応戦する恭耶。
フェイトは鉄線に攻撃を阻まれることなく恭耶に容赦ない攻撃をしかける。
(やっぱり自分の周りにはある程度の空間を作ってたみたいだね)
「ハーケンセイバー!」
バルディッシュを振り抜き光刃を飛ばし、周りの結界の核となる飛針の刺さっている場所を次々と破壊していく。
改めて対峙しあう二人。
「こうも簡単に結界術が看破されると悲しいモノがありますね。」
その距離はフェイトにも恭耶にも有利な距離。
「でもね・・・。」
恭耶は手首を捻り、指を小刻みに動かし始めた。
キリキリという奇妙な音がし始める。
フェイトがある場所に踏み込んだと同時に引いた。
地面が盛り上がり、隠された鉄線が現れる。
「・・・結界術を破壊した程度で無効化出来たとでも? 不破流飛針術・・・刻絃。」
鉄線が油断したフェイトの四肢を絡め取り、フェイトの白くて細い首を絞め上がる。
「くっ・・・あっ・・・」
フェイトの口から息が強引に吐き出される。
動くたびに鉄線がフェイトを締め上げていく。
フェイトの思考が徐々に希薄していく。
そして鉄線で絞められた部分から血が流れる。
「降参して下さい・・・ハラウオン執務官。」
「お・・・こと・・・わり・・・し・・・ます。さ・・・ん・・・ダー・・・レイ・・・じィ・・・。」
フェイトの足元に魔方陣が浮かび上がり、発生した雷がフェイトごと鉄線を焼き尽くす。
体に痺れを感じながらもフェイトは恭耶に迫る。
「一気に行きます!」
フェイトは戦斧を構え恭耶に詰め寄る。
恭耶は腰の柄に手をやり居合いの構えをとった。
攻め寄るフェイト、迎撃する構えの恭耶。
一瞬の判断、そして切り札の使い所がこの勝負をわける。
「唸りなさい、孔鬼斬貫刀!」
居合い抜くには遠い場所にいるはずなのに恭耶は刀を引き抜く。
抜いた刀は蛇の如く、うねりながらフェイトを囲むように飛んだ。
「あれは・・・。」
急制動をかけ回避行動に移ったフェイト。
「シュランゲフォルム!?」
襲い来る刃を回避し防御しながらフェイトは冷静に分析した。
執拗に追いかける刃が恭耶の元に集まり一つの刀として形を形成した。
そして恭耶は再び解き放った
「連結刃・蛇神の舞!」
息つくまもなく再び解放された連結刃はフェイトを狙い舞い始める。
地面を穿ちながら執拗に獲物を狙う様はあたかも蛇のようだ。
しかし相手はあのフェイトである。
連結刃を収める瞬間の隙をつきフェイトは距離を一気に詰めた。
「シグナムとの模擬戦がこんなところで役に立つとは思いませんでした。」
「くっ!」
刀と戦斧が軋みながらぶつかった。
数合打ち合いまたお互い間合いをとった。
「不意打ちはもう通じませんよ。これで決めます!」
そう言い砲撃魔法の詠唱を開始した。
「じゃあ、私も決めましょうかね。」
拳に魔力を纏わせ疾駆する構えをとる恭耶。
しかし拳はもちろん体にも相当の負担がかかっているのだろう。
恭耶は苦悶の表情を浮かべた。
「これで!孔鬼破砕掌!」
爆発的な早さで詰め寄る恭耶は弾丸の如く一直線にフェイトを目指した。
しかし誰も気づいてなかった。
珍しくフェイトがいたずらっこのような笑みを浮かべているという事に。
疾駆し始めたはずの恭耶は急制動をかけられ動きを封じられた。
「ば、バインド!?」
不可視の設置型バインド、ライトニングバインド。
これの特性は設置個所に来るまで不可視の状態で発動しないと言うこと。
そしてそのかかった対象に対する雷属性の攻撃の威力を上げる、まさにフェイトのための魔法なのである。
『Load Cartridge』
バルディッシュは2発のカートリッジをロードし、この勝負を終わらせるための魔法を紡ぐ。
「これで終わりだね。貫け、雷光!」
『Trident Smasher』
三つ叉の魔力砲が恭耶に収束し轟音が鳴り響いた。
あとに残されたのは目を回している恭耶と勝利の笑みを浮かべているフェイトだった。
「演習終了!アリサ、恭耶を医務室に。」
「了解。」
「恭耶さん、大丈夫でしょうか・・・。」
心優しいフェイトは心配しているようだ。
「大丈夫よ、フェイト。恭耶の鍛錬が足りないだけだろうから。」
軽くウィンクをしフェイトを安心させるアリサ。
そして恭耶に肩を貸し医務室に行くため演習場をあとにした。
「ハラオウン執務官、どうでしたか?久しぶりの演習は。」
「ええ。いい運動になりました。」
「それは何よりです。今からの予定は?」
「だいたいの仕事は終わりましたし、これから部屋に戻って明日の仕事の確認でもしようかと。」
「そうですか。ではまた会いましょう。」
「ええ。また訪問しに来ますね。」
「はい、また来てください。レクス、隊舎まで送って差し上げなさい。」
「ふえ?!」
突如話を振られ混乱するレクス。
「私は今から仕事があります。あなたはこの後フリーでしょう?車も運転できる。最適な相手ではないですか?」
「いや、まあそうですけど。」
普通の口調に戻りレクスのあわてぶりを堪能するリオ。
レクスもこの提案は満更ではないが、いかんせん身構えもなしに振られたので混乱の極みに達しているようだ。
「レクス、お願いしていいかな?」
そこに上目遣いで頼むフェイト。
これを断れる男性局員は存在するのだろうか。
「りょ、了解です。」
真っ赤になっているレクスを可笑しそうにリオは見ている。
その部隊長をうらめしそうに見ながらも
「表に車を回してくるので少々お待ちください。」
その場に居るのが恥ずかしいのだろうかレクスは車庫に向かって走っていった。
「あれが無ければ結構いい男なんだがね。」
「あはは、レクスはああいう人だから。でも、なのはみたいに真っ直ぐで優しい人だと思いますよ。」
にこりと母性あふれる笑顔で微笑むフェイト。
「それではレクスを待たせるのもなんですし、失礼します。」
「ええ、また演習の相手をしに来て下さいね。」
軽く会釈をしたフェイトも演習場を後にした。
演習場の前に黒塗りのスポーツカーが止まり、その窓からレクスが顔を覗かせてフェイトを呼んでいた
「フェイトさんこっちです。」
「ありがとう、レクス。」
そういって助手席に乗り込むフェイト。
一気に距離が縮まり緊張のゲージが振り切れそうなレクス
「レクス、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ?」
くすくすと笑いながらフェイトはレクスを見る。
窓からの風で軽くなびく前髪、運転に集中しているかっこいいとも取れる凛々しい表情。
「普通の恋愛してたらこういう風に隣に居てくれる人が居たのかな・・・」
ぽつりともらした一言は誰の耳にも届かなかった。
ーーーーーーなのは、フェイト、ヴィヴィオの自室ーーーーーーー
「ただいまー」
教導で遅くなると連絡があったなのはが予想より早く帰宅してきた。
「おかえり、なのは。」
「なのはママお帰りー。」
ヴィヴィオはうれしくてなのはに抱きついている。
「? フェイトちゃん今日はご機嫌だね?」
「うん。」
さすがなのは。私の事はお見通しってことかな。
「アリサやすずか、そしてあの時の事件の子と久しぶりに会えたんだ。」
「アリサちゃんやすずかちゃんと?いいなあ・・・。私も会いたかったよ。」
「今度教導しに行ってみたらどうかな?」
「にゃははは。それもいいかもね。レクス君にも興味あるし。」
「ヴィヴィオもレクスさんに会ってみたい!」
いつものように屈託無く笑うなのは。
興味津々のヴィヴィオ。
今日どんな事があったか寝るまで話してみようかな。
アリサたちの事とか車に送ってもらった事とか模擬戦の事とか
「じゃあ、今日あった事でも話そうか。」
そうやって平和な家族の夜はふけて行った
どうも道@レクスです。
テストがやばいです。難しすぎて死にそうです(´ぅω;`)
SS第2話ですが・・題名どおりフェイトさんが出てきました。
フェイトさんが言ってたあの事件とは一体?
それは後々語られるのでしょうか。
レクスは普通に会話できる日が来るのでしょうか。
未来は作者もわかりませんw
コメントで御意見御感想、私も出てみたい、こんな物語が見たいなどのリクエストもお待ちしてます。
実現できるかわかりませんが(・∀・A;
それでは次回更新か第3話「夜天の王を守る騎士」(仮)で会いましょう
テイクオフ!
作者:道@レクス
更新日:2008年7月28日 13時49分
設定資料その1
どうも道@レクスです
最近リアルが忙しく中々更新できない状態のうえSSがまだ完成してないのでこのナイツSSに登場するキャラクターの設定資料を公開しようと思います。
レクス・レオンハルト(レクス・レオンハルト):二等空尉(時空管理局第21特殊編隊「ナイツ」)
女性が苦手な騎士で魔導師ランクがAAA-
コールサインは「ブレイブ・ワン」
周囲の女性局員からいじられる悲運の分隊長である
デバイスは双剣型デバイスで、「氷風の左(イタクァ)」と「炎熱の右(クトゥグア)」
固有スキル「騎士の加護」を持つ
祖父が第97管理外世界「地球」の出身で神話を研究していた。
その際魔道書を手に入れたことにより魔導師となった特殊な家系。技名に神話が関係してるのも
祖父の影響である。
wiki上の設定はこんな感じであとはここに記載されてないちょっとした設定を書きます。
長身痩躯、短髪でぱっとしない外見。いじられ体質で女性に興味はあるが慣れてる人以外と話すとなると真っ赤になり、アワワモードという緊張状態になる。
マリナ・クラウディア(マリナ・クラウディア):(開発部)
魔導師資格もあるナイツ(主にレクス)専属開発部員。
争いを好まない性格なので開発部に所属している。
得意魔法は水、風、回復系魔法
レクスの幼馴染みでレクス用デバイスの整備を担当してる
レクスがまともに話すことの出来る数少ない女性
レクスと数年ぶりの再会を果たしたときレクスがかっこよくなってることにドキッとしたらしい
長髪で青い髪。背は少し低め。スタイルはアリサ曰く「スレンダーで羨ましい」ほどのものらしい。
いかがでしょうか?
今回は二人だけですがSSの間が空きそうな時は設定資料をどんどん紹介していこうと思います。
さて第2話「金色の来訪者」ですが現在終盤まできているのですが、課題のオンパレードにより
一時中断を余儀なくされています。
2話を期待している方々もう少しのお時間をいただきます。
その分気合入れて書きます!。
それでは次回の更新時にまた会いましょう。
作者:道@レクス
更新日:2008年7月3日 11時48分
第1話「騎士の名を持つ部隊」
「・・・・・・・・・。」
空中である一つの影が地上を見下ろしていた。影が見下ろしているのは山岳地帯を走るひとつの貨物車両。
「あれに古代遺失物-ロストロギア-が・・・・・・。」
貨物車両を見下ろしながらほくそ笑む影、無防備にあれほどのモノを運ぶなど盗ってくださいと言わんばかりのものだったからだ。
影がその車両に狙いをつけるのとほぼ同時、中空に円型の魔法陣が浮かびあがり、影の口から魔法が紡がれる。
「スティンガースナイプ・・・。」
魔力による光弾が周囲に複数に発生し、
「粉砕せよ・・・。」
影の言葉を合図に複数の光弾が車両に降り注いでいく。
着弾時に発生した爆風が影の服を揺さぶり、はためいた。
「少々荒かったかな。」
発せられた言葉に反し、影は悪びれた風も無く笑い爆煙が晴れるのを待つ事すらもどかしいかのごとく降下を始める。
影は愉悦に入り浸っていた。まさか自分の求めていたロストロギアがこうも簡単に手中に入ろうとは思っていなかったからだ。
その時、
「フォトンランサー!!ファイヤ!」
煙の向こうから影へ雷を帯びた魔力の槍が襲い掛かる。
「何!」
思いがけない攻撃だったが、彼は難なく受け止め、自分が撃ち貫いた空間に眼を向けた。
煙が晴れたところには貨物車両は見当たらず、そこにはただ一人の男が佇んでいた。
その男は騎士だった。
鎧兜を着ているわけでもなく、ただその佇まいはまさしく騎士のそれだと感じる。
双剣を静かに抜き静かにそこたたずむ姿、重要部を守る鎧のようなバリアジャケット。
昔話に登場する騎士とは異なる身なれど、それはまごうことなき騎士の姿。
騎士は影に通告する。
「ロストロギア強奪未遂によりあなたを拘束する。抵抗するなら・・・実力で拘束させてもらう。」
影は撤退すべきだと瞬時に判断し、即座に思考と行動を逃走に切り替える。
しかし、それを許さぬと言わんばかりに騎士は一気に肉薄、二つの剣で影を切りつけた。
しかし影も魔導師、強固なシールドを展開し受け止めてみせた。
「貴様・・・・・・何者だ・・・・・・?」
シールドを斬り裂こうとする騎士が影の問いに答えた。
「俺は時空管理局第21特殊編隊ナイツ所属レクス・レオンハルト。双剣の騎士と呼ばれてる魔導師だ!」
レクスと名乗った黒髪の騎士の周辺に魔弾が形成され、影の防御をつらぬき意識を刈り取った。
「身柄、拘束させてもらいますよ」
意識の無い男にレクスは幾重にもバインドをかけていく。勿論、捕縛して連行する為だ。
「こちらブレイブ1、ターゲットを拘束した。転送ポートの準備を頼む。」
彼は所属する部隊の本部に念話を送る。
「こちらシュヴェーアト、転送ポートの準備完了しております。こちらの座標へお願いします。」
念話は本部のオペレーターに接続され、レクスの念話に応えた。
「了解した。」
オペレーターの指示にレクスが了承したと同時に接続が解除される。
レクスは逮捕した魔導師を担ぎながら念話で送られた座標の箇所に向かった。
ーーーーーー時空管理局ナイツ隊舎 HQーーーー
ディスプレイの情報を計算しながらコンソールを叩くHQオペレーターが報告を開始した
「ブレイブ1、転送ポートへの到着を確認。あと数分で戻ってくるかと思われます。」
その報告を受け二人の金髪碧眼の少女は会話を始めた。
「相変わらず手際いいわねー。」
と紅と翠の紋章が浮かぶイヤリングをつけてる少女が感想を述べれば、
「ですがまだまだですよ。フォトンランサーの生成速度をどう思います?」
もう一人の少女―――部隊長リオ・アーシュラはイヤリングの少女に質問で返す。
「結構早いんじゃないの?私の魔法より断然早い気がするけど?」
「彼ならあとコンマ0.03早く出す事ができるはずです。フェイト執務官と比べてもまだまだ遅い。」
「酷評ねえ」
苦笑いをしながらイヤリングの少女―――アリサ・バニングスはモニターを眺め思う。
(私ももっと強くならないと・・・この部隊に来た意味が無い・・・!)
静かに燃える炎のようにアリサは強い決意を宿した。
そんな決意を知ってか知らずか、彼女らの後ろのドアが開き、先ほどモニターに写っていた青年が現れた。
長身痩躯で癖の少ない黒い髪、特徴的なところが少ない今時珍しい青年だ。
「レクス・レオンハルトただいま帰還しました。」
任務に関しては生真面目なレクスはHQまで足を伸ばし報告をしにきたらしい。
「今回搬送していたロストロギアは無事目的地に搬送が完了、先ほどの魔導師も身元が判明しました。後ほど資料をまとめて送ります。」
「ご苦労様。まあひと段落ついたんだから少しは肩の力抜いておきなさいよ。」
「あ・・・・・・あぁ・・・。」
アリサに笑顔を向けられたレクスの顔は赤く染まっているように見える。
「ま~た顔真っ赤にして~、いい加減慣れなさいよね?」
「そう言われましても・・・苦手なものは苦手なのですよ・・・。」
「そうですよレクス。今後は女性の護衛任務や女性との合同任務もあるのですから。」
「りょ、了解しました。」
レクスは真っ赤になりながらもしっかりうなずいた。
「そうだ今後の任務の話が出たからこの事を話しておこう。」
話の流れそのままに、リオは今後の事を話し始めた。
「最近ロストロギア関連の事件が急増している。そう遠くない未来、何らかの組織も動き出すかもしれない。
よって我ら第21特殊編隊「ナイツ」も積極的にロストロギア関連事件の捜査、ならびに確保を行う事に決定した。」
「!」
レクスは驚きを隠せなかった。
この部隊は様々な分野に精通した人が集まり様々な任務が依頼される。が、積極的に行動を起こす事は滅多になかった。
ましてやロストロギア関連の事件などは『稀に』護衛等の任務で同行するくらいだったのでなおさらこの宣言には驚きを隠せない。
しかしここのところのロストロギア関連の事件は異常なくらい増えている、納得できる内容である事には違いない。
その場にいるナイツメンバー全員がリオに向かい、その場で敬礼をしながら指令を受け取った。
解散後、レクスは最近の事について考えを巡らせていた
(ここのところ・・・多発してる古代遺失物関連の事件・・・何かあるのか・・・・・・?)
今はまだこの予感が単なる仮説であることを願う騎士は今後起こる災難を知る由もなかった
あとがき?
こんにちは道@レクスです
今回よりはじまりましたナイツSSですが、自身が遅筆なもので中々進みません(ぉ
しかしながらやっと1話ができました!
これも雪奈さんを筆頭とした局ラジチャットの皆様のご助力のおかげです。
ありがとうございました。
それでは次回の更新のときにまた会いましょう。
第2話「金色の来訪者」(仮定)をお楽しみに~
再見!(ツァイチェン)
作者:道@レクス
更新日:2008年6月8日 17時24分